急性HIV感染症

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『HIVとエイズはどうちがう?』

あなたは正確に答えられますか?

世間一般においても、HIVとエイズの定義を正しくとらえて、正確な使い分けが出来ている訳ではありません。

至るところで間違った使い方、2つをごっちゃまぜにした使い方が見られます。

まぁ、多くの場合は特別それで大きな問題になることもありません。

どちらかと言えばエイズと表現した方が分かりやすいのか、本来HIVと表現すべきところをエイズと表現していることがあります。

 

例えば、「エイズ検査」「エイズに感染する」などの表現は、本来は「HIV検査」、「HIVに感染する」とすべきです。

では、HIVとエイズについてその定義からみていきましょう。

 

HIVとは何か?エイズとは何か?

HIV=ヒト免疫不全ウイルス(ヒトめんえきふぜんウイルス)のことです。

英語では、

Human Immunodeficiency Virus=HIV

と略します。

つまり、HIVはウィルスの名前です。

あなたが良く知っている、インフルエンザウイルスとか、胃腸炎を起こすノロウイルスとか、そういった病気を起こすウイルスの仲間です。

エイズってなに?

AIDS=後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)

何やらややこしい長い名前ですが、これを英語では、

Acquired Immune Deficiency Syndrome=AIDS

と表記されます。

で、どう言う意味かと言うと、

後天的に

免疫不全になって引き起こされる

症候群

すなわち病気の集まりのことです。

つまり、エイズとは単独の症状、病気を表す言葉ではなく、複数の病気の集まりを意味します。

HIVとエイズの関係は?

あなたがHIVに感染すると、あなたの体内でHIVは増殖します。

同時に、あなたの免疫機能を次々に破壊していきます。

すると、健康な人なら免疫力で問題なく退治出来る病原菌も、あなたはHIVに感染して免疫機能が低下しているせいで退治することが出来ません。

そのため、あなたは色んな病気にかかってしまうのです。

現在、エイズ指標疾患として23種類の疾患が指定されており、HIVに感染した人がどれか1つを発症したときにエイズ患者と認定されます。

エイズ指標疾患

つまり、HIVに感染しただけではエイズ患者ではありません。

HIV感染によって免疫力が低下して、エイズ指標疾患のどれか1つでも発症した段階で初めてエイズ患者となるのです。

 

HIVとエイズの細かい表現方法はともかくとして、ここであなたに知っておいて欲しいのは、

『HIVに感染したからと言って、ただちにエイズ患者ではない。』

と言うことです。

これは非常に重要なことです。

なぜなら、現代医学ではHIVに感染してもエイズ発症を防ぐことが可能になっているからです。

かつてのように、

HIV感染⇒エイズ発症⇒死

といった図式ではありません。

HIVに感染しても、エイズ発症前に検査で分かればエイズを未然に防ぐことが出来る、このことを覚えておいて下さい。

 

HIV-1とHIV-2とはどうちがう?

あなたはHIVに、HIV-1とHIV-2の2種類があることをご存知ですか?

インフルエンザや新型コロナにも種類があるように、HIVにも種類があるのです。

現在までのところ、日本国内ではほとんどがHIV-1が感染しており、HIV-2の感染例は数件しか報告されていません。

では、このHIV-1とHIV-2はどう違うのでしょうか?

実はこの2つ、同じHIVではありますが、生れた(?)起源が違うのです。

HIV-1とHIV-2はどこからやってきた?

HIV-1と言うウイルスは、もともとはチンパンジーに免疫不全を起こすウイルスで、それが人間に感染して生まれたと考えられています。

一方、HIV-2は西アフリカに生息するスーティーマンガベイと言う、オナガザル科の猿に免疫不全を起こすウイルスが起源と考えられています。

「スーティーマンガベイ」

HIV-1とHIV-2の感染地域は?

HIV-1が世界中に感染して広まっているのに対して、HIV-2は主に西アフリカを中心に感染が広まっています。

ウイルスの発見としては、HIV-1が発見されたのが1983年、HIV-2が発見されたのはそれから3年後の1986年でした。

日本国内の感染状況は?

日本国内においては、HIV-1が見つかったのは1985年であり、HIV-2が見つかったのは2006年、西アフリカで輸血を受けて感染した例が最初とされています。(「これでわかるHIV/AIDS診療の基本」南江堂より)

そして、HIV-2はその後2007年に2例、2008年に2と複数の感染が見つかっています。

このうち2例については、来日中の西アフリカ男性と性交渉を 持った日本人女性が感染したものと分かっています。

 

2008年以降のHIV-2感染事例を私は知りません。

間違いなく、日本ではほとんどがHIV-1と言うことになります。

とは言え、HIV-2の感染の可能性がゼロではないので、HIV抗体検査では必ずHIV-1とHIV-2の両方を検査します。

HIV-2型の感染を新聞が報道する

HIV-1とHIV-2はどう違う?

HIV-1とHIV-2では、HIV-2の方が感染力は弱く、進行も遅いと言われています。

しかし、HIV-1に対してART療法と言う治療方法が確立しているのに対して、 HIV-2に対しては治療法がまだ確立していないそうです。

*HIV-2の治療法に関しては、ここ数年情報が見つからず、更新できていません。

 

また、HIV検査の種類によっては、HIV-1のみ検査可能で、HIV-2の検査が出来ないものがあります。

例えば、一般の病院などで行っているNAT検査はHIV-1のみです。

NAT検査はウインドウピリオドが最短なので、メリットも大きいのですが陰性になっても後日HIV抗体検査でHIV-2の検査が必要です。

 

HIVはこうして体内で増えていく

HIVはどうやって体内で増殖していくのか?

そのメカニズムは?

そして、なぜHIVに感染すると免疫力が低下していくのか?

全てはHIVの驚異的、かつ巧妙な増殖方法に秘密があったのです。

HIVはどうやって自分のコピーを作るのか?

ここでは、HIVが体内に侵入してから増殖する過程について説明します。

医学には素人の私が苦労して図を作ってみました。

正確さには欠けるかも知れませんが、イメージをつかんで頂ければと思います。

では、下の図を見て下さい。

番号が1番から7番までふってあります。

HIV増殖の過程をこの番号順にお話したいと思います。

HIV増殖のメカニズム
HIV増殖の過程

 

【1】HIVがCD4レセプターに取り付く

HIVがあなたの体内に侵入すると、CD4陽性Tリンパ球と言う免疫細胞に取り付きます。

このCD4陽性Tリンパ球は血液の白血球の中にあり、あなたの体をウイルスや細菌から守る免疫機能の中枢細胞です。

あなたの免疫力を支えている大事な細胞です。

ここがHIVの恐ろしいところで、本来ならHIVのような外敵をやっつける免疫細胞に取り付くのです。

CD4陽性Tリンパ球にはCD4レセプターという目印があります。

HIVはこのCD4レセプターによって他の細胞とCD4陽性Tリンパ球を見分けて、確実に襲いかかるのです。

CD4はHIVが取り付く目印であると同時に細胞内への入口のカギ穴でもあります。

HIVは自分のカギをこのカギ穴に入れて、CD4陽性T細胞リンパ球の細胞ドアを開けます。

 

【2】HIVのRNAと逆転写酵素を放出

次にHIVはCD4陽性T細胞内に入ると、さっそく自分のコピーを作りはじまます。

実は、HIVに限らずウイルスは自分の力だけで増殖することが出来ません。自己増殖の機能を持っていないのです。

そのため、感染して入り込んだ宿主細胞を巧みに利用して自分のコピーを作っていきます。

まず、HIVはCD4陽性T細胞内に入り込むと、自分のRNAと逆転写酵素の2つを放出します。

通常、生物はDNAとRNAの2つの遺伝子を持っています。しかし、ウイルスはRNAかDNAか、どちらか一方しか持っていません。

HIVは自分の遺伝子としてRNAしか持っておらず、DNAを持ちません。

それでRNAウイルスと呼ばれています。

そして、HIVが遺伝子をRNAしか持っていないのに自分のコピー作りを可能にしているのが、逆転写酵素なのです。

 

【3】逆転写酵素によってDNAが作られる

CD4陽性T細胞内に放出されたHIVのRNAと逆転写酵素

逆転写酵素はその名の通り、RNAを逆転写してDNAを作りだします。

このDNAは2本の鎖のようになっています。

 

【4】CD4陽性T細胞の核内へ入る

次に、逆転写酵素によって作られたHIVのDNAは、取り付いたCD4陽性T細胞の核に入り込み、もともと存在していたT細胞のDNAの一部分として組み込まれてしまうのです。

つまり、HIVは自分のコピーを作るのに、取り付いた宿主細胞の遺伝子を利用するのです。

何とも不思議というか、恐ろしい増殖の仕組みです。

HIVは自分が持っていない遺伝子機能を、感染した宿主細胞を使って補うのです。

 

【5】HIVの部品を作りはじめる

まんまとT細胞のDNAに入り込むことに成功したHIVのDNAは、T細胞が持っている増殖機能を使って、自分のコピーを作り始めます。

つまり、本来であればCD4陽性T細胞が自分の細胞を増やすための機能を利用し、HIVの部品を作らせるのです。

HIVの設計図を受け取ったT細胞内では、悲しいことに、せっせとHIVの部品を作り始めるのです。

 

【6】HIVの部品を組み立てる

T細胞内で作られたHIVの部品は、同じT細胞内で組み立てられます。

こうして、新しいHIVが次々と宿主細胞であるCD4陽性T細胞内でコピーされていきます。

本来ならHIVを攻撃するはずのT細胞内で、HIVが作られていくのです。

何と恐ろしい仕組みでしょうか。

 

【7】CD4陽性T細胞の破壊と増殖

新しくコピーされたHIVはT細胞の外へ飛び出します。

1つのCD4陽性T細胞から、約1000個のHIVが作られるそうです。

何ともすさまじい数です。

この新しくコピーされたHIVは次の宿主細胞に取り付き、【1】から【7】を繰り返します。

HIVが1日10億個から100億個と言う途方もない増え方をするのも、こうした増殖のシステムがあるからなのです。

そして、HIVの生産工場と化したCD4陽性T細胞ですが、HIVが飛び出た後は破壊されてしまいます。

このCD4陽性T細胞と言うのは、人の免疫機能の中枢細胞なのです。

この細胞が破壊されると他の免疫細胞も十分機能することが出来なくなります。

こうして、HIVは自分を大量コピーすると同時に、免疫細胞を破壊し続けます。

 

【8】エイズ発症

こうしてあなたがHIVに感染したら、あなたの体内ではHIVの増殖と免疫力の低下が同時に進行していきます。

そして数年間という時間をかけて、ついにあなたの免疫力はウイルスや細菌を攻撃することが出来ないくらい弱ります。

健康な状態なら問題にならないような日和見感染症を発症するようになります。

厚生労働省が指定した23種類の疾患があって、HIV感染者がこのうちのどれか1つでも発症すると、その段階でエイズ患者と認定されます。

それがエイズ指標疾患です。

 

坑HIV治療とは?エイズが完治できない訳は?

HIV感染症はかつては致死的疾患で、感染してから数年後にエイズを発症して死に至る病気でした。

感染者の命を救う有効な治療法はなかったのです。

しかし、現在では完治出来ないまでもエイズを発症して死ぬことは激減しました。

いったい、どんな治療を行うのでしょうか?

HIV感染症が完治出来ない理由とは?

HIVが発見されてもう40年が経とうとしています。

しかし、未だにHIV感染症を完治させる薬はありません。

世界中でHIV、エイズの研究が行われているにも関わらず、こうした状況なのです。

いったい、その理由はどこにあるのでしょうか?

HIV感染症が完治出来ないその理由とは、

『HIVが免疫細胞を破壊して、免疫力を低下させるため』

なのです。

 

実は、HIVに限らずウイルスに感染した時に使用する薬は、直接ウイルスを攻撃してやっつける薬ではありません。

ちょっと前、新型インフルエンザが大流行したときに話題となった、タミフルと言う薬がありましたね。

あのタミフルもインフルエンザウイルスを直接攻撃する訳ではありません。

どんな働きをするかと言えば、あなたの体内でインフルエンザウイルスが増えるのを防ぐ働きをする薬なのです。

 

では、なぜそれが治療薬として有効かと言えば、薬でウイルスが増えるのを防いでいる間に、あなた自身の免疫力がウイルスを退治して、それで病気が回復していくのです。

そう、インフルエンザウイルスを直接攻撃して退治するのは、タミフルではなくあなたの免疫力なのです。

 

あなたの血液中にあるリンパ球に何種類かの免疫細胞があり、それらがウイルスを攻撃して退治するのです。

免疫機能

 

ところが、HIVの場合は、ヘルパーT細胞と言う、免疫機能の中心細胞に取り付き、破壊していきます。

言わばHIVは自分の天敵を破壊しながら勢力拡大を図るのです。

これがHIVの恐ろしいところです。

 

従って、あなたが一度HIVに感染してしまうと、現在のところ完全にHIVを駆除する方法はありません。

何しろ、本来なら外敵であるHIVを駆除する働きの免疫細胞が破壊されてしまうので、どうしようもないのです。

もし、何からの新薬が出来てHIVを攻撃することが出来たとしても、HIVは免疫細胞の中に感染するので、免疫細胞までいっしょに破壊されてしまいます。

これでは治療になりません。

このHIVの特殊性のために、エイズ登場から現在まで40年が経過しても、完治出来ないままなのです。

では、どうやってHIV感染を治療するのか?

今お話したように、一度あなたの体内に侵入してしまったHIVを完全に駆除することは出来ません。

しかし、駆除出来ないまでも、ある程度増えることを防ぐことは可能になりました。

先ほどのHIV増殖のメカニズムを思い出してください。

HIVは自分のコピーを作りながら免疫細胞を破壊していきます。

従って、HIVが増えるのを防ぐことが出来れば、それは免疫細胞の破壊を防ぐことになり、免疫力低下も防げるのです。

これによって、HIVに感染してもエイズ発症を防ぐことが出来るようになったり、仮にエイズを発症しても免疫力の回復が可能になりました。

 

では、具体的にはどうやってHIVの増殖を防ぐのか、次の図をご覧下さい。

HIVは免疫機能の中枢細胞である、CD4陽性T細胞に取り付きます。

そして、CD4陽性T細胞が持っている増殖機能を巧みに利用して、自分のコピーを作っていきます。

この、CD4陽性T細胞の中で自分のコピーを作る工程はいくつかに分かれているのですが、抗HIV薬とは、この工程を阻害する、じゃまする薬です。


抗HIV薬の働き

抗HIV薬は、主に次の3種類に分類されます。その働きを説明しますので、図を見ながら読んで下さい。

 

●核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)

 

核酸系逆転写酵素阻害薬2

NRTIはHIVのコピー工程の3番を阻害します。

3番の工程とは、HIVが自分の遺伝子情報を、感染したCD4陽性T細胞に送り込む工程です。

もう少し詳しく説明すると、HIVは自分のRNA遺伝子を逆転写酵素でDNAに変えて、CD4陽性T細胞のDNAにもぐりこませようとします。

このHIVが逆転写酵素でRNAからDNAを作ろうとするとき、NRTIはDNAの中に組み込まれます。

この余計なNRTIが組み込まれたために、いわばHIVの純正DNAを作ることが出来なくなります。

その結果、その後の増殖プロセスに進むことが出来なくなり、HIVのコピーが作れません。

この薬が初めて抗HIV治療に使われた薬だそうです。

名前に「核酸系」とあるのは、薬の成分に核酸の構成物質を使っているからです。

 

●非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)

 

非核酸系逆転写酵素阻害薬3

NNRTIもコピー工程の3番を阻害します。

阻害する方法が異なるだけで、目的はNRTIと同じです。

この薬はHIVの逆転写酵素と結合し、逆転写酵素本来の役割である、RNAからDNAを作る機能を妨害するのです。

この薬は核酸を基本にしていないので、「非核酸系」と呼ばれています。

 

●プロアテーゼ阻害薬(PI)

 

プロアテーゼ阻害薬2

PIは、コピー工程の5番を邪魔する薬です。

HIVは宿主細胞であるCD4陽性T細胞のDNAを巧みに利用して自分のコピー部品をどんどん作らせ、それを宿主細胞内で組立てます。これが5番です。

この薬は、HIVの部品を作る工程5番を妨害し、HIVの部品を作らせないようにします。

当然ながら、HIVのコピーを組み立てる部品が全部揃わなければ、新しいHIVを組み立てることは出来ません。

結果的にHIVの増殖を防止することが出来ま す。

 

●インテグラーゼ阻害薬(INSTI)

 

インテグラーゼ阻害薬2

INSTIはHIV遺伝子の宿主遺伝子への「組み込み」を担う酵素インテグラーゼを阻害する薬です。

結果的にHIVは自分のコピーを作ることができません。

 

●侵入阻害薬

侵入阻害薬

この薬はHIVがCD4陽性リンパ球に感染するとき、CCR5という受容体と結合するのを阻害します。

つまり、コピー工程の1番を阻害します。

結果的にHIVはCD4に感染することができず、自分のコピーを作れません。

坑HIV医療ARTとは?

実際の治療には、これらの坑HIV薬を何種類か混ぜ合わせて患者に投与します。

HIVは容易に変異を繰り返すウイルスなので、1種類の薬ではすぐに耐性が出来て効かなくなってしまうからです。

ARTと呼ばれる坑HIV療法は、薬を何種類も使うため、多剤併用法、カクテル療法とも呼ばれています。(ART=Anti-Retroviral Therapy)

ARTによって早期にHIV感染が分かればエイズの発症が防げるようになりました。

あるいはエイズ発症後においても免疫力の回復が可能となり、日和見感染症の治療が可能となったのです。

 

次のグラフはエイズ動向委員会のデータをグラフ化したものです。

ATRが開始されたあ1997年からエイズで亡くなる人は激減しました。

病変死亡者数

 

ただ、残念なことにそれでも体内のHIVを完全に除去することは出来ず、完治には至りません。

それでもHIV感染症は致死的疾患から慢性疾患に近づきつつあります。

まさに早期のHIV検査は救命的検査となっています。

 

CD4数とウイルス量

HIV感染後の経過を観察するのに2つの指標が使われます。

それが、CD4陽性Tリンパ球数と、ウイルス量(HIV RNA量)です。

CD4陽性Tリンパ球数

CD4陽性Tリンパ球とは、あなたの体の免疫機能の中枢細胞です。

免疫力を発揮するための肝心要の細胞です。

あなたが健康な状態なら、血液1μL当たり700から1,300くらいあります。

しかし、HIVがあなたの体内に侵入すると、恐ろしいことにこの大事な細胞に取り付き、破壊して
いきます。

CD4陽性Tリンパ球数が減少するとあなたの免疫力も低下していき、ついには日和見感染症に
かかり、エイズ発症となります。

すなわち、CD4陽性Tリンパ球数は、あなたの免疫力を測る指標になります。

CD4が200を切ると非常に危険な状態となります。

坑HIV医療が進んだとは言え、CD4の値が高いうちに治療を開始した方が予後がいいのです。

ウイルス量

HIV RNA量はあなたの体内にどのくらいの量HIVが増えているか、あるいは減っているかを測る指標です。

HIVの遺伝子であるRNAの量を測定します。

HIV RNA量が多ければ多いほど、あなたの体内でHIVの増殖が進行していることを示しており、
この指標を観察し続けることで感染スピードもわかります。

ウイルス量の単位はコピー/mLで表します。1コピーはRNAが1つという意味です。

厚生労働省の「抗HIV治療ガイドライン」によると、HIVに感染して1週間から2週間くらいすると、血中のHIV RNA量は100万コピー/mLを超えるのだそうです。

そして、抗HIV治療の目標としては、少なくとも200コピー以下まで下げないと治療が成功した
とは言えないのだそうです。

 

HIV感染後のCD4数と、HIV RNA量の推移は次のグラフのようなイメージです。

CD4数とHIV RNA量

◇治療開始時期が遅くなると、生存率も下がる

最後にもうひとつ、「抗HIV治療ガイドライン」に載っていたデータをご紹介したいと思います。

 

●CD4数が200/μL未満の患者は、200/μL以上の患者に比べて死亡率が高い。

●CD4数が350/μL未満の患者と、350/μL以上の患者では、死亡率に有意差は認められない。

 

これは、3,729名のHIV感染者のデータによるものだそうです。

 

CD4数350/μLという値がひとつの目安になっています。

CD4数が350を切る前に治療を開始することが命を救うことになります。

何度も書きますが、早期のHIV検査は救命的検査となります。

もしもあなたにHIV感染の不安があるなら、一刻も早く保健所でHIV検査を受けてください。

手間もかかるし、多少の時間も費やします。

しかし、万一あなたがHIVに感染していたときのことを思えば、その手間や時間がどれほどのものでしょう。

あなたにとって、あなたの命より大事なものはないはずです。

あなたがどうしても保健所には行きたくない、行けない事情があるのなら、あなたの自宅でHIV検査キットを使う方法もあります。

 

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