HIV急性期皮疹

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かつて私が国内外の性風俗で遊んでいたころ、HIV感染の不安の襲われました。

不安の直接のきっかけは、全身の発疹と帯状疱疹と言う、2つの皮膚疾患でした。

 

「HIV感染者の90%は何からの皮膚疾患を発症する」

 

と、専門書には書かれてあります。

 

そして、あるHIV陽性者のブログには、全身の発疹で皮膚科に行ったら医師からHIV検査を奨められ、結果は陽性だったと言う手記が載っていました。

私は2つの皮膚疾患を発症した上、そんなHIV感染の情報が頭に入ってきて、

 

「自分はHIVに感染している」

 

と思い込みました。

しかし、私はHIV検査の結果「陰性」でした。

 

HIV感染の機会に心当たりがあり、全身に発疹が出て、次に帯状疱疹を発症しましたが、HIVには感染していませんでした。

一方で、先ほどのブログの手記では、全身の発疹からHIV検査を受けたら「陽性」でした。

私の場合とブログの場合。全く反対の結果から何が言えるでしょうか。

それは、

 

「HIVに感染しているかどうかは、症状では分からない。HIV検査を受けるしか方法はない。」

 

と言うことです。

だから、全身に発疹が出ても、帯状疱疹が出ても過剰に心配したり、不安になる必要はありません。

しかし、完全に無視したり放置するのは危険です。

あなたに感染機会に心当たりがあれば迷わずHIV検査を受けることをおすすめします。

この記事では私の身の上に起きた皮膚疾患2つと、私が調べた一般的なHIV感染による皮膚疾患の情報を紹介します。

 

蕁麻疹(じんましん)体験記(急性期皮疹と間違う)

私の身の上に起きた全身の発疹。

結論から言えば、それは蕁麻疹でした。HIV感染による急性期皮疹ではなかったのです。

でも、発疹の様子があまりに似ていて私はパニックになったのでした。

突然現れた発疹

私の全身に現れた発疹は写真のようなものでした。

医師に見てもらおうと写真に撮ったのです。

蕁麻疹2
写真1.右足の発疹

 

蕁麻疹1
写真2.左足の発疹

このような発疹が腕や太ももだけでなく、首から下の全身に出ました。

初めは腕に出て、それからお腹です。

ポツリ、ポツリと発疹が出てかゆくなり、そこからわずか30分ほどであっという間に全身に広まっていました。

もう、全身がかゆくて気が狂いそうになるほどでした。

かいてはいけないと思いつつも、あまりのかゆさにかきむしりました。

 

この時、発疹の他には何も自覚症状はありません。

発熱も下痢、頭痛などもなしです。

そして、3時間から4時間後にはまるでウソみたいに発疹は消えてしまいました。

私の身体から発疹は消え、ただかきむしった跡だけが残っていました。

蕁麻疹(じんましん)とは?

私がHIV感染を疑った全身の発疹はその後5年間、全く現れませんでした。

HIV検査で感染していないことが分かり、発疹のこともすっかり忘れてた頃、再び発症したのです。

全く同じ症状で全身に発疹が出ました。

そこで私は皮膚科を受診しました。

すでに発疹は消えていましたが、写真を見せて医師に原因を聞いたのです。

すると、医師の診断は意外にも、

 

「蕁麻疹(じんましん)ですね」

 

と言うものでした。

 

蕁麻疹と聞くと、何かの食品に原因があるようなイメージを思いうかべる人も多いでしょう。

しかし、実際には蕁麻疹を発症した人の70%は原因不明なのだそうです。

何か分からないけど発疹が出てかゆくなり、2時間ほどすると治まっていく・・・。

これが典型的な蕁麻疹のパターンなのだそうです。

まさに私はこのパターンでした。

 

むろん、食品による蕁麻疹もあります。エビ、カニ、サバ、原因は人によって異なります。

あるいは薬品によるアレルギーもあります。

こうした食品、医薬品の他にも物理的な刺激や過労、ストレスなども蕁麻疹の原因となることがあるそうです。

こうなるともう、何でも原因になる可能性ありです。

 

治療法も根本的なものはなく、かゆみや発疹を抑える対処療法がメインとなります。

私の場合発は症頻度が極めて低くく、治療も受けていません。

ただ、私は生まれつき体質的に皮膚が弱くてかぶれやすく、少しの刺激でも変化が現れ残ります。

私のような体質者は蕁麻疹が出やすいのだそうです。

 

HIV感染の急性期皮疹とは?

全身の発疹によって私が恐れたのはHIV感染による急性期皮疹です。

結果的に蕁麻疹でしたが、先のブログの手記にあったように、HIV感染の急性期に発疹はよく見られる症状なのです。

66歳男性の例

実際のHIV急性皮疹がどんなものか、詳しい記事がありました。

「Visual Dermatology」と言う雑誌の中に書かれています。

その症状をあなたにもご紹介したいと思います。

同書に書かれているのは、66歳の男性患者のケースです。

●まず、微熱が出た。

●4日後に熱は38.5度まで上がった。同時に全身の筋肉痛が出た。

●更に4日後、前胸部に淡い発疹が出た。

●近所の皮膚科で治療してもらうが、症状は悪化した。

●2日後に感染症センター都立駒込病院感染症科で診察を受ける。

●診察の結果、紅斑丘疹型の皮疹が認められ、発熱、筋肉痛、喉の炎症などもあり、ウイルス感染症による皮疹の疑いが強まった。

●HIV抗体検査を行ったところ、陰性であったが、HIV-RNA量を測定すると顕著に上昇値を示し急性HIV感染症と診断された。

●4週間後にHIV抗体検査でも陽性となった。

この男性のパターンが代表的なHIV急性皮疹です。

 

つまり、

●直径5mmから10mm位の紅斑丘疹が出る。紅斑丘疹とは、皮膚が小さい範囲で盛り上がり、赤くなる発疹。

●発熱、筋肉痛、リンパ節の腫れ、下痢などの症状を伴う。

●発疹は1週間から2週間くらい続き、自然と消えてしまう。

 

これがHIV急性皮疹の代表的な症状です。

私の全身発疹は、発疹の大きさや形は一致しますが、何しろ1日で消えてしまいました。

それに発熱や筋肉痛などの併発する症状がありませんでした。

 

帯状疱疹体験記(免疫力で以下で発病)

私の全身に発疹が出てからしばらくの後、またも皮膚に異常を感じました。

前回と同じく発疹なのですが、症状がかなり違いました。

そして症状はすぐには治らず、私は皮膚科を受診したのです。

私の帯状疱疹体験記

ある日左の肩に痛みを感じました。私はてっきり、筋肉痛だと思って、シップ薬を貼りました。

筋肉痛の原因に心当たりはありませんでしたが、肩コリのひどいやつ、くらいにしか思っていませんでした。

でも、数日経ってもまだ痛みは治まりません。

やがてピリピリするような痛みに変わっていました。

変だなぁ、と思いながらまだシップ薬を貼り続けていまし た。

 

ところが、4、5日経ってシップ薬を貼り替えようとしたら、発疹が出ているのに気が付きました。

こりゃてっきり、シップ薬にかぶれてしまったのだと思いました。

肩に痛みが出てから、ずーっと24時間貼り続けていたのです。

私はすぐにシップ薬を貼るのを止めました。でも、発疹はなくなりません。

それどころか、日に日に発疹は広がっていきます。

左の肩から首筋、脇の下から背中へと広がります。全部、身体の左側でした。

 

痛みはひどくなるし、発疹は増えていくし。

1週間を過ぎたあたりで、私はこれは尋常ではないと気付きました。

肩こりや、シップ薬かぶれなんかじゃない、何かの皮膚病かも知れないと思いました。

私はさっそく、近くの皮膚科に診てもらうことにしました。

私を診察した医師は、私の発疹を診てすぐに言いました。

 

「これは、帯状疱疹ですね。」

 

お恥ずかしい話ですが、実は私はそれまで帯状疱疹なる病気について知りませんでした。

先生の説明を聞いて、初めてこんな病気もあるのだと知ったのです。

帯状疱疹は、最初にチクチク刺すような痛みが出ます。

それも、身体の左か右か、片方にだけ出ます。

 

次にブツブツ、発疹が出ます。まさに私の症状とド ンピシャ、一致します。

先生は飲み薬と塗り薬の両方を出してくれました。

それから10日ほどすると、痛みも発疹もほとんどなくなっていました。

このときは、私はまだ自分自身のHIV感染なんて、思ってもいないので、やれやれ治って良かったと喜びました。

 

私は急性HIV感染症のことも全く知りませんでした。

病院の先生も、HIV のことは一言も言ってくれなかったのです。

帯状疱疹が免疫力、抵抗力の落ちたときに発症すると聞きましたが、当時の私はやたらと出張の多い生活を送っており、国内外に出てばかりいました。

それで肉体的な疲れも慢性化していたし、精神的なストレスも抱えてい ました。

こうしたことが、免疫力の低下につながり、帯状疱疹の発症原因になったのだと思いました。

 

しかし、後に帯状疱疹はHIV感染に伴う皮膚疾患でもあることを知り、慌てました。

何しろ私はHIV感染に心当たりのある行為を繰り返していたのです。

海外や国内の性風俗で遊んでしまった経験がありました。

 

しかも、帯状疱疹の1ヶ月前に、原因不明の全身発疹も経験しており、これもまた急性HIV感染症の可能性があると知って、二重に慌てました。

今まで、一度も経験したことのない全身発疹と帯状疱疹を続けて経験するなんて、どう考えても偶然だとは思えませんでした。

てっきりHIVに感染したのだと思い込みました。

しかし、私のHIV検査の結果は「陰性」でした。HIVには感染していなかったのです。

そもそも、帯状疱疹とは何か?

●帯状疱疹の病原菌

帯状疱疹を発症させるウイルスは、ヘルペスの中VZV(varicella zoster virus)です。

このウイルスに最初に感染したときは水痘(水ぼうそう)として発症します。

たいていは1歳か2歳、遅くても9歳くらいまでにはほとんどの子供が感染します。

 

赤い発疹が出てそれが全身に広がり、発熱を伴います。

発疹は水ぶくれと変わり、膿を持ち、最後はかさぶたになって治ります。

しかし、水痘が治っても、ウイルスは神経を伝わって神経節にもぐり込みます。

そこで遺伝子の形で潜伏状態を続けます。何せ隠れ場所が神経節なので、薬などで除去することが出来ません。

 

ただ、私たちが普通に免疫力、抵抗力がある状態ではこのウイルスは潜伏したままです。

それが何かの理由によって免疫力が低下すると、ウイルスは神経節から出てきて暴れだし、帯状疱疹となって発症します。

つまり、VZVに最初に感染したときが水痘で、再発したら帯状疱疹と言う訳です。

どちらも同じウイルス、VZVが病原菌です。

 

●帯状疱疹発症のきっかけ

帯状疱疹を引き起こすVZVは多くの大人が抱えています。

しかしVZVのある人が誰でも帯状疱疹を発症する訳ではありません。

免疫力が低下して、抵抗力がなくなってきたときに発症するのです。

では、いったいどんな要因で免疫力が低下するのでしょうか。

帯状疱疹発症の引き金となる免疫力低下の要因をあげてみます。

①HIV感染による免疫不全

②過労、ストレスによる免疫機能低下

③加齢による免疫力低下

④内臓の悪性腫瘍などによる免疫力低下

⑤手術や放射線治療などによる免疫機能低下

こう言った要因が考えられます。

 

帯状疱疹を発症したからHIVに感染しているとは限りませんが、HIVに感染した人が帯状疱疹を発症することは珍しくありません。

HIVの感染機会に心当たりがあって、なおかつ帯状疱疹を発症したらHIV感染を疑ってみるべきだと思います。

 

皮膚疾患からHIV感染を疑う重要性

先ほど紹介したHIV感染の急性期皮疹を発症した66歳男性の例では、最初にこの男性を診察した近所の皮膚科でHIV感染を疑っていません。

HIV感染の急性期の症状を完全に見落としているのです。

もしもこの男性が都立駒込病院に行かなければ、HIV感染に気付かないままだったかも知れません。

男性の皮疹はそのうち自然に治ってしまい、次に症状が出るのはエイズを発症してしまったときです。

つまり、HIV感染の急性期に現れる、皮疹や筋肉痛、発熱、下痢などの症状はHIV感染を初期に発見する絶好の機会なのです。

ここを見落としてしまうと、エイズ発症まで何も自覚症状がなく、分からずじまいの可能性があります。

 

「Visual Dermatology」の中で、東京医科大学皮膚科の斉藤万寿吉助教授、坪井良治主任教授は次のように書かれています。

『HIV感染に伴う皮膚疾患を熟知することで、皮膚疾患からHIV感染を診断出来れば、HIV感染の早期発見がもたらす個人的、社会的メリットは大きく、皮膚科医の果たす役割は大きい。』

両氏が敢えてこう提言されている裏には、皮膚科の医師がHIV感染の可能性を見逃して早期発見のチャンスを逃している現実があるからです。

 

また、「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」(医薬ジャーナル)の中で、国立国際医療センターの岡慎一エイズ治療・開発センター長も次のように書かれています。

『急性期に発熱、皮疹、リンパ節腫脹などの症状を経験をする人が50%から90%いると言われています。この時期が最も早くHIV感染症を診断出来るポイントであり、医療者が見逃さないための努力が必要です。』

この提言もまた、現実の医療現場ではHIV感染の早期発見のチャンスを見逃すことがあることを示唆しています。

だとすれば、この現実をあなたはどうしますか?

 

あなたにHIV感染の不安や心当たりがあって、全身に発疹が出たら例え皮膚科や内科の医師があなたにHIV検査の指示をしなかったとしても、

 

「あなた自身の判断でHIV検査を受けることも必要」

 

だと言うことです。

 

私自身も自分の判断でHIV検査を受けました。

検査結果は陰性でしたが、それはたまたま運が良かっただけで陽性判定が出ていても不思議ではなかったのです。

皮疹や発熱にあまりに過剰反応して、すぐにHIV感染と決めるつける必要はありません。

でも、一方で急性HIV感染症かも知れない可能性があることも事実です。

その不安を解消する方法はただひとつ、あなたがHIV検査を受ける以外にありません。

 

HIV感染に関係する皮膚疾患(HIV感染者の90%)

急性期皮疹や帯状疱疹以外にも、HIV感染に関連する皮膚疾患は様々あります。

ここでは私が調べたその一部を紹介します。

 

【HIV感染に伴う代表的な皮膚疾患】

大分類 中分類 小分類
①急性HIV感染症 ・紅斑丘疹型発疹
②皮膚粘膜感染症 1)ウイルス感染症 ・単純疱疹
・帯状疱疹
・伝染性軟属腫
・尖圭コンジローマ
2)細菌感染症 ・毛嚢炎(もうのうえん)
・膿瘍(のうよう)
・梅毒
・癤腫症(せつしゅしょう)
3)真菌感染症 ・口腔内カンジダ症
・白癬
・マラセチア関連皮膚疾患
③腫瘍性病変 ・カポジ肉腫
・悪性リンパ腫
・肛門部扁平上皮がん
④その他のHIV関連皮膚疾患 1)好酸球性膿疱性毛包炎
2)瘙痒性丘疹
3)薬疹
4)その他 ・尋常性乾癬
・色素異常症
・アトピー様皮疹
・結節性痒疹
・光線過敏性皮膚炎
・血管炎
・環状肉芽腫
・乾皮症
・疥癬
・肛囲潰瘍

 

では、表の中からいくつか簡単に病原菌や症状などを紹介します。

脂漏性皮膚炎

表中のマラセチア関連皮膚疾患が脂漏性皮膚炎です。

常在菌である、マラセチア菌がHIV感染による免疫力低下で異常繁殖し、発症の原因となります。

『HIV感染に伴う皮膚疾患』を特集した雑誌、「Visual Dermatology」(秀潤社)によると、脂漏性皮膚炎は皮脂腺の働きが活発な乳幼児と中高年の男性に多い病気です。

そしてHIV感染者と、非HIV感染者では脂漏性皮膚炎の発症率に大きな差があります。

●非HIV感染者の脂漏性皮膚炎発症率・・・3%~5%

●HIV感染者の脂漏性皮膚炎発症率・・・30%~83%

このようにHIV感染者ではかなりの高い確率で脂漏性皮膚炎を発症します。

 

あるHIV感染者のブログでは脂漏性皮膚炎がきっかけでHIV感染が分かったとありました。(検査を受けた結果です)

また、「Visual Dermatology」の中にも、慢性化した脂漏性皮膚炎の治療過程でHIV感染が見つかった事例が出てきます。

 

むろん脂漏性皮膚炎そのものは別に珍しくもない皮膚疾患なので、ただちにHIV感染と決めつけることはできません。

しかし、一方ではHIV感染者の多くに見られる皮膚疾患であることも事実です。

 

脂漏性皮膚炎を発症する原因としては、マラセチア菌だけでなく様々な要因が分かっています。

●皮脂腺の分泌異常

●ストレス

●栄養の偏り

●不適切なスキンケア

●気候的な要因

なども原因と考えらえます。

尋常性白斑

私はこの病気を全く知りませんでしたが、尋常性白斑そのものはそれほど珍しい病気でもないそうです。

「尋常性白斑=じんじょうせいはくはん」と読みます。

どんな皮膚病かというと、皮膚の色が白くなっていく病気です。

HIV感染者に尋常性白斑が見られることが知られています。(日本皮膚科学会

 

これは皮膚の表面にあるメラニン色素を作っている、色素細胞が消失するために色が抜け落ちて白くなる皮膚疾患です。

本来なら外敵を攻撃するはずの免疫細胞が色素細胞を攻撃して発症する、自己免疫疾患の一種だと考えられているそうです。

ただ、皮膚の色が白くなるだけで、体の内部にまで健康障害が出る病気ではありません。いわば、美容的な問題のみ発生します。

とはいえ、放置しておくと全身に広がっていくので大変です。

尋常性白斑のイメージをお分かり頂くために写真をご紹介しておきます。

著作権の関係で直接ここに貼れませんので、こちらをご覧ください。⇒「尋常性白斑の写真」

単純ヘルペス

単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって発症する病気です。

あなたが単純ヘルペスに感染すると、発疹や水ぶくれなどの皮膚疾患に高熱が出ることもあります。

だいたいは2週間から4週間くらいで治りますが、症状は消えてもウイルスは完全には消えません。

あなたの神経の奥深くにもぐりこんで潜んでいるのです。

そして、あなたの免疫力が落ちて来た時や、隠れ潜む神経に何かの刺激があったとき、再発します。

たとえば、次のようなことが単純ヘルペス再発症の原因となります。

●HIV感染

●悪性腫瘍

●風邪による発熱

●紫外線にあたる

●性行為

●歯科治療

●過労やストレス

このように、単純ヘルペスそのものは帯状疱疹同様、HIVに感染しなくてもよく見られる病気です。

ですからあなたが単純ヘルペスを発症したからといって、即HIV感染と結び付ける必要はありません。

ただ、HIV感染も単純ヘルペス発症の1つの原因になることは間違いありません。

あなたにHIV感染の心当たり、思い当たる過去があればHIV検査を受けることをお勧め致します。

伝染性軟属腫 (水いぼ)

ポックスウイルスによる感染症です。普通は子供の頃に 発症し、大人がかかることは稀です。

HIV感染者については免疫不全による日和見感染症として発症します。

症状は2mm程度の肌と同じ色か、白っぽい丘疹(ふくれのある発疹)が現れます。

丘疹の中央に小さな凹みがあります。

口腔内カンジダ 症

口腔内カンジダ症の病原菌であるカンジダアルビカンスは真菌(カビ)の一種で、健康な人でも約26%は常在していると言われています。(「Visual Dermatology」より)

健康な状態では免疫力によって真菌が抑え込まれているのですが、HIV感染などで免疫力が低下してくると発症します。

口腔カンジダの症状は、口の中のほほの粘膜部や舌が白い苔(こけ)状の物に覆われたようになります。

咽頭や食道にも発症することがあります。

爪白癬(はくせ ん)

『HIV感染に伴う皮膚疾患』によれば、HIV関連の真菌症の中で、爪白癬は口腔カンジダ症に次いで多くみられる皮膚疾患だそうです。

真菌の一種である白癬菌が爪に寄生したもので、爪の先が白く濁ったような色になります。

カポジ肉腫

カポジ肉腫はエイズ指標疾患にも指定されており、 HIV感染者に非常に多く見られる皮膚疾患です。

カポジ肉腫の病原菌はHHV-8(ヒトヘルペスウイルス8型)で あることが分かっており、多くの場合、CD4が300/μL以下になると発症します。

HIV感染の免疫不全によって発症する、腫瘍性病変の代表です。

腫瘍(しゅよう)とは、細胞や組織が体の正常な制御に従わず、かってに増殖して出来た組織の塊(かたまり)です。

体の表面に出来ることもあるし、体の内部に出来ることもあります。

 

カポジ肉腫は、最初は暗い紅色か紫色の平坦な斑点です。

この斑点が段々と盛り上がっていきます。

肉腫は下半身から始まってお腹や腕、首、顔と色んな場所に次々と出てきます。

皮膚だけでなく、気道や消化管の粘膜、リンパ節など臓器にも出ます。

 

かつてはHIV感染によるカポジ肉腫は治療が困難で、そのまま進行して致死的経過をたどることもありました。

しかし、現在ではARTと呼ばれる坑HIV療法と、ドキソルビシンと言うアドリアマイシン系の抗ガン剤が有効で完治する例が多くなっているそうです。

 

HIV感染による腫瘍性病変としては、カポジ肉腫以外に悪性リンパ腫、肛門部扁平上皮ガンなどがあります。

乾癬(かんせん)

乾癬の症状としては、次のような経過をたどります。

①皮膚が赤くなって盛り上がる。これを紅斑(こうはん)と言います。

②表面に白っぽい、細かいかさぶたが出来る。

③かさぶたがボロボロ剥がれ落ちる。

 

発症する場所は全身どこでも出ますが、特に背中、腕、脚などに多く出ます。

紅斑(こうはん)には強いかゆみを伴う場合もあります。

乾癬の原因は未だに完全には解明されていないのだそうです。

ただ、最近の研究ではどうやら自己免疫反応が関係しているらしいことが分かっています。

それにその人の体質的なもの、ストレスなどの外的要因、糖尿病などの内的要因も関係しています。

疥癬(かいせん)

疥癬とは、ヒゼンダニが人間の皮膚の角質層に寄生して発症する皮膚感染症です。

性行為によって皮膚から皮膚へ感染することがあるので性感染症の一種でもあります。

私が所有している性感染症の専門書には必ず疥癬が登場します。

ヒゼンダニの寄生とHIV感染症。何も関係ないように思われますが、実は深い関連があります。

 

まず、ヒゼンダニについて説明します。

ヒゼンダニのメスは体長が0.4mm、オスはこの3分の2の大きさです。

メスはオスと交尾した後、手や指の角質層に疥癬トンネルを掘り、産卵します。

卵は3日から4日でふ化し、幼虫となって脱皮を繰り返して成虫になっていきます。

寿命は10日から14日くらいです。その間ずっと人間の皮膚表面か角質層にもぐり込んでいます。

疥癬

 

感染ルートとしては性行為でも感染するし、肌と肌が直接触れ合えばそれでも感染します。

あるいは衣類、布団などからの間接感染もあります。

疥癬は潜伏期間が1ヶ月ほどあるため、仮に自覚症状が何もなくても、家族や同居人に疥癬患者がいれば全員治療が必要です。

1人でも疥癬患者が残ればすぐにまた広まります。非常に感染力が強いのです。

 

疥癬の主な症状としては、とにかく強いかゆみがあります。

場所としては指と指の間や手首、肘、腋(わき)、お尻などが多く、紅色丘疹や疥癬トンネルが出来ます。

小さい水泡が出来ることもあります。

 

さて、HIVに感染して免疫力が弱まっている人が疥癬に感染したらどうなるか?

実は疥癬には普通の疥癬と、角化型疥癬の2つがあります。

そしてHIV感染者の場合はこの角化型疥癬になることがあります。免疫力の低下が原因です。

角化型疥癬とは、別名ノルウェー疥癬とも言い、手足、お尻、肘や膝などに灰色から黄白色のざらざらしたかき殻みたいな角質層が出来ます。

また普通の疥癬だと首から下にしか寄生しないのですが、角化型だと首、頭、耳などにも寄生します。

爪に寄生してまるで爪白癬のようになることもあります。

 

この角化型疥癬が普通の疥癬と最も異なる点は、寄生するヒゼンダニの数です。

普通の疥癬が多くても1000匹程度なのに比べ、角化型疥癬では100万匹から200万匹、あるいはそれ以上の場合もあります。

けた違いに多いのです。当然感染力もけた違いに強くなります。

 

角化型でなぜこんなにヒゼンダニが多く寄生するかと言えば、免疫力が低下しているからです。

HIV感染症で免疫力が低下し、CD4値が150/μL未満まで低下してくると角化型になる恐れがあるそうです。(「HIV/AIDS患者のトラブルシューティングとプライマリ・ケア」南山堂)

角化型疥癬は免疫力の低下が原因ですからHIV感染症だけが原因とは限りません。

老齢や重症の感染症、あるいは悪性腫瘍などを患っている場合も免疫力が低下するので可能性があります。

ままた臓器移植や膠原病などで免疫抑制剤を使った場合も可能性があります。

 

まとめ

HIV感染による皮膚疾患について、私の調べたことを紹介しました。

私自身、全身の発疹と帯状疱疹を発症し、HIV感染を疑ったことが調べるきっかけでした。

調べて分かったことがいくつかあります。

●HIVに感染すると90%の人は何らかの皮膚疾患を発症する。

●HIV関連の皮膚疾患は急性期皮疹、帯状疱疹など様々ある。

●皮膚科で受診しても、必ずしもHIV感染の可能性までは疑わない。HIV検査がスルーされることもある。

●エイズの専門医は、皮膚疾患からもHIV感染を疑い、早期のHIV検査を推奨している。

 

あなたの命を守るのは、あなたの決断です。

HIV感染の機会に心当たりがあれば保健所でHIV検査を受けましょう。

保健所に行きにくい人も、リスクを放置せず自宅で使える郵送式HIV検査キットの利用も考えてみてください。

 

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